コーヒーの酸味、お嫌いですか？

飲んでみたら、好きになっちゃうかもよ
コーヒーの酸味が苦手っていう人、けっこう多いですよね。でも、その苦手な酸味って、本当にコーヒーの酸味なのかな？ って思うんです。多くの人が嫌いなコーヒーの酸味って、劣化したコーヒーの酸っぱい味なんじゃないかって！

 

浅煎りコーヒーの特徴を表すキーワードは、酸味。劣化してて薄くて不味いコーヒーを表すキーワードは、酸っぱい。酸味＝酸っぱいってことになって、浅煎りコーヒーのイメージ、悪い！

コーヒーと言えば、苦味が効いて、黒くて、熱い液体。でも、浅煎りコーヒーって、苦くない、黒くない、熱々より冷めかけが美味い。いつもののコーヒーと、ぜんぜんイメージ、違う！

 

液色薄くて水っぽそうだし、飲む前からちょっと不安な感じがして、飲んでみたら予測してた「熱くて、苦い！」というインパクトがない。「知ってるコーヒーとチガウ！」ってなるのが、浅煎りコーヒーなんですよね、超カンタンに言って。

でも、コーヒーをブラックで飲むのが好きなら、苦味で隠れていたコーヒーの酸味＝果実の風味を「おもしろい！」って、感じる人が多いと思うんだけどなぁ。

 

スペシャルティコーヒーのスペシャルなところを味わおう！
スペシャルティコーヒーとは、どの国のどの地域の、どの農園でどのように生産されたかという素性がはっきりとしている高品質なコーヒーのこと。

 

※スペシャルティコーヒーの定義（日本スペシャルティコーヒー協会のサイト）
http://scaj.org/about/specialty-coffee

 

間違いなく言えることですが、浅煎りコーヒーは、スペシャルティコーヒーじゃなきゃダメなんです！　豆の素性がしっかりしてて、特徴が活きる精製方法をとり、きちんと管理されたコーヒー豆は、浅煎りにすると、その個性がきらめくのです。

 

コーヒー豆が、果実であることを連想させるフルーティーな味わい、それが浅煎りコーヒーの酸味です。ベリーやオレンジのような酸味。桃やスモモのような酸味。カカオのような酸味。ときには花の香りがしたり、ハーブのような爽やかな風味があったり。浅煎りにして、（コーヒーの確固たる個性とされていた）苦味を抑えると、まさにスペシャルなフレイバーが現れます。

「サードウェーブ男子」が良くなかったんだ！
スペシャルティコーヒーが身近なものになったことが、コーヒーのサードウェーブのはずなのに、なんとなく、浅煎りのコーヒーの流行＝サードウェーブって、多くの人に思われていませんかね？

 

サードウェーブコーヒーは一過性の流行りモノであって、落ち着いた大人の嗜好品であるコーヒーとはチガウ…というイメージじゃないですか？ 　しっかり苦味があるコーヒーがホンモノで、酸味を押し出した浅煎りのコーヒーは流行りモノって感じ？

 

サードウェーブコーヒーを流行りモノにしちゃったのは、「サードウェーブ男子」という言葉に原因があると思うんです。

 

2015年、サードウェーブコーヒーの旗手としてアメリカからブルーボトルコーヒーが日本に上陸してきた。そのとき、漫画家でコラムニストとしても活躍する辛酸なめ子氏が、オサレカフェに行列するオサレ男子を「サードウェーブ男子」と命名した。
ヒゲ、メガネ、ニットキャップ、Apple製品を装備し、エコで丁寧な暮らし方をする男たちが、やや上から目線でコーヒーをはじめいろんなモノのうんちくを語った。確かに、「サードウェーブ男子」の皆さんは洗練されてたと思うけど、自分に優しく他者にシニカルで、新感覚のチャラさを漂わせていた。

彼らの存在に引っ張られて、サードウェーブコーヒーもなんだか気取ってチャラいモノになっちゃって、ちょっとバカにされるようになっちゃったんですよっ……違いますか？

 

「サードウェーブ男子」は、もう街から消えてしまったけど、そのイメージから、なんとなく浅煎りコーヒー（酸味が特徴のコーヒー）が敬遠されちゃってるのでは？　と、被害妄想気味に感じてる。

 

辛酸なめ子氏のマンガやエッセイよく読むし…ってゆーかWEBで見かければ必ず読んじゃうし、ファンとかリスペクトとかとは違うけど、かなり好き。だけど、「サードウェーブ男子」の件は恨んでいます。浅煎りコーヒー好きとして！　

 

しつこいですが（好き嫌いはあるだろうけど）コーヒーの酸味については、ほんとに嫌いなのかどうか、確認してほしいです。確認のためには、きちんと管理されたスペシャルティコーヒーの豆を使って、きちんと淹れたカップを飲んでいただくしかありません。

そんな、１カップがお出しできるように、がんばっていくつもりです！